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フロム・ヘル 上
Thu.22.09.2011 Posted in 漫画

フロム・ヘル 上フロム・ヘル 上
(2009/10/10)
アラン・ムーア

商品詳細を見る

久々のレヴュー(*^^*)

映画「フロム・ヘル」の原作コミック日本語版です。

著者はアメコミ界の巨匠アラン・ムーア

オフィシャルHP

3か月前から、図書館で予約待ちしてやっと手元に届きました…が

はじめのページを繰った途端、なかなかの暗黒エネルギーが、
絵からも、
セリフからも、
全体からのし掛かる重圧感…orz

これはクセものだ…と思いつつ、ドロドロとした闇コミックの中へどっぷり浸かりこんでしまいました

読書で久々に消耗を感じてます。
なんて恐ろしい漫画

どうやら、アラン・ムーア(著作)とエディー・キャンベル(作画)の渾身の超大作だそうで、10年の歳月を費やして書かれたそう

確かに半端ないページ数+文字数の圧倒的な量!!
もはやコミックというより、絵で描かれた長編小説の観アリな感じ。

内容はというと…映画とは違って、切り裂きジャックことサー・ウィリアム・ガルが主人公です。

追記:再度通読の上の感動の「フロム・ヘル 下」レヴュー


以下、ネタバレ注意


切り裂きジャックはフリーメーソンの儀式のため、娼婦たちを生贄にした?!
という説。そして、

女性=狂気・気まぐれ・残虐という女性性の闇の側面
VS
男性=理性・秩序・冷静という男性性の光の側面

という、神話ではよくある陰陽二元論の思想(実際のフリーメーソンの思想は男性原理と女性原理の融合を目指してたのでは?だとすると、ガルの思想はあまりにも逆説的)を自己流に曲解し、女性嫌悪の主人公切り裂きジャックことサー・ウィリアム・ガルは「偉大な業」と豪語しながら娼婦を生贄としてかっさばいて行きます。

何よりも、ガル氏が自身のその「業」(儀式・思想)について語る下りが圧巻。

少々パラノイア気味なまでに緻密で正解な時代検証と、その一見関係なさそうな歴史上の出来事をさも、すべては繋がっているかのようにひとつの織物に織り上げていく手腕は、さすがアラン・ムーアな感じです

アレイスター・クロウリーやウィリアム・モリスなどなど、私の知ってる有名な人物の名前や作品もちらほら登場したり

女性性の残忍さや狂気や直感力を男性性の一撃(理性的に考えるなら、儀式や暴力ではなく理性の力で与えるべきなのはどう考えても明らかですけど…)

で排除(というより吸収?)しようとする張本人が、まさにそのディオニュソス的な狂気にとり憑かれている…

自らの闇の部分を女性へと投影し、残虐な方法でそれに制裁を与えたいがために、ますます終わりのない円環的狂気に冒されていく姿!娼婦たちを生贄に捧げながらも、その殺戮に陶酔を見出し、人狼と化していく様は圧巻

彼はその熱烈な陶酔を、神へと繋がる神聖な至福と結びつけているけれど、彼が幻視の中で観たのは紛れもなく、山羊の姿をした悪魔の姿


そして、彼は生まれた時からその使命を担っていたのだ、連続殺人鬼は生まれながらにして殺人鬼としての役割を果たす宿命であり「ナチュラル・ボーン・キラー」は存在する、とでも解釈できるような独白をつぶやくのですが…。

この答えを、下巻でどう掘り下げてみせてくれるのか、今からワクワク
結局、心の中の悪魔の声にたぶらかされたという安易なオチじゃないといいけど。

あと、彼が女性性嫌悪に陥ることになったエピソードが明かされていないのが気になる。

生まれながらにして女性嫌いなワケがないし、それとも、ユングがいうところの「男性はみな、母親の闇の部分をひどく恐れている」というグレートマザー論に繋がるんだろうか?

ストーリーの展開が一部円を描き、終わりがはじまりに繋がる構成も、ガルの狂気の形を反映してなのか、それとも別の意味があるのか秘教的・神話的構成。

ゾッとする闇闇闇…特に苦手な西洋史の中の魔女裁判とかの女性虐待の歴史を思い出し、 さらなる暗黒へと引きずりこまれる感覚。

扱うテーマも、長いセリフのデータ量も、 ひたすらに重いです。

読むには、この重厚さに耐えられるだけの精神力が必要な力作。

下巻が楽しみです(*^o^*)

…だけど、かなり気合を入れて立ち向かわないと、この暗雲立ち込める闇に呑み込まれてしまいそうな予感

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