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クライヴ・バーカー『不滅の愛』

久々に刺激的な読書体験でした。

私の大好きな作家、クライヴ・バーカーの長編ダーク・ファンタジー『不滅の愛』です。

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ボスやブリューゲルなどの幻想絵画に影響を受けたバーカーらしく、カバーイラストはボスの「聖アントワーヌの誘惑」。

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バーカーは『ヘルレイザー』(自身の小説『ヘルバウンド・ハート』を映画化)というカルト映画の監督でもあり、日本での知名度は高い方だと思うのですが・・・ホラー好きやフィギュア・マニアの間では教祖(神?笑)のような存在。

彼の潤沢な想像力から生み出されるものは、本当に途方もないです。

(ちなみに私は「ヘルレイザー」のセノバイトたちのカッコよさにヤラレマシタ・・・★)

彼は傑作短編『血の本』シリーズでデビューし、世界幻想文学賞と英国幻想文学賞を受賞。

その後、現代版ゴシック小説とも言うべき、血と恐怖に彩られた奇抜なダークファンタジー小説を次々と発表し、現在は自ら自身の小説を「ダーク・サイド・オブ・ファンタジー」と位置付けているのだとか。


彼の小説は、読んでいるとまるでホラー映画のような映像が浮かび上がってくるので"読むスプラッタ・ムービー"と呼ばれているそうです(これは多分、血の本シリーズのことだと思われます。)

また、バーカーは作家、脚本家、映画監督という顔の他に、イラストレーターという顔も合わせ持っています。

彼の絵は、子供向けダークファンタジー(本当に子供向けでいいの??)『アバラット』の挿絵にも使われています。(他の絵もオフィシャルHPでたくさん見れます)

彼の作品を読んでいると所々に同性愛者的なものが感じられたのですが・・・思った通り。彼はオープンリー・ゲイです。

強い女性ばかり出てくると思ったら、道理で・・・。フェミニストなのね☆

現在は、長年のパートナーである写真家のデヴィッド・アームストロングと娘のニコラと共に仲良くカルフォルニアで暮らしているそうな。



作者の紹介はこのくらいにしておいて・・・。

アート三部作の第1作目『不滅の愛』。

あと2冊続編があるのですが、日本語訳はまだ出版されていないみたい

展開の早さと物語の密度の濃さはまさに短編小説並み。

やはり彼の本領は短編小説なのでしょうか。

これでもかとばかりにバーカーの想像力が注ぎ込まれていて、読む方も想像力を逞しくしないと、どんどん置いて行かれてしまうような疾走感。

こんなに奇想天外な展開だと、あらすじを描いたとしても何がなにやらチンプンカンプンですけど一様参考までに・・・


<あらすじ>
うだつのあがらぬ中年男ランドルフ・ジェフィは世界を支配するほどの男になりたいと野心を抱きながらも、郵便局で上司にへつらい、配達先不明の郵便物から、小金や小切手を漁る毎日を送っていた。ところがある日、ジェフィは累々たる屑の山から、とんでもない秘密を発見してしまう。百通に一通ぐらいの割合でみつかる奇妙な手紙。どうやら、われわれの知らない、この世ではない別の世界があるらしい。ジェフィは上司を殺し、探索の旅にでる…。

ニュー・メキシコで発見した奇妙な異次元空間。そこに住むキスーンというシャーマンに、別の世界の秘密を知らされるジェフィ。そこで彼は、人間の進化を早め、神のごとき存在に近づける物質〈ナシオン〉の存在を知る。自らの野望を実現されたかったジェフィは、薬物中毒の天才科学者フレッチャーに近づき、薬を餌にして〈ナシオン〉を抽出させる。実験の結果、二人は霊的な存在に進化した。そして、まばゆい光と邪悪な影の、壮大な神秘の戦いが始まる。


話を追うごとに、ラヴクラフトのクトゥルフ神話を思わせるようなバーカー独自の神話世界が広がっていきます。

そして、バーカーお得意の妖しいダークなファンタジーという形をとっているとしても、彼が物語に織り込んでいるものは紛れもなく神秘主義で語り伝えられてきた世界観のようです。

神話や神秘学の知識を元に途方もない想像力を駆使して書いているのか?それとも、彼は本当の幻視者なのでしょうか?

圧倒的に視覚的な文章。

特に、夢の海についての模写が素晴らしいです!!

コズム(この世)とイアド(欲望=悪の世界)の中間に位置する、全てのものが生まれ、帰っていく広大な夢の海クィディティ。

そしてジェフィの欲望から生まれた過ちによって、イアドの世界からコズムへと攻め入ってくる、強大な闇の巨人たち・・・。

一体バーカーの頭の中はどうなっているんでしょうか?尋常じゃない創造力です!!

彼の作品は短編小説の方がインパクトがありますけど(長編だとインパクトのある展開が多すぎてマンネリ化してしまうみたい)、内容の濃さ、壮大なヴィジョンに置いては長編の方が断然面白いと思います

早く続編も翻訳してくれないかな~続きが気になるなぁ。


P.S.
不滅の愛、どうやらコミック化されているみたいです!!
http://www.idwpublishing.com/titles/tgass/tgass.shtml

是非読んでみたい所☆

だけどそれよりも、早く日本語版の続編出版してくれないかなぁ~。

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THEME:ファンタジー小説 | GENRE:小説・文学

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